○須崎市議会基本条例

平成28年9月27日

須崎市条例第23号

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会運営(第3条―第5条)

第3章 議員の責務等(第6条―第11条)

第4章 市民参画(第12条・第13条)

第5章 議会事務局(第14条)

第6章 議員定数及び議員報酬(第15条・第16条)

第7章 最高規範性(第17条)

第8章 その他(第18条・第19条)

附則

前文

住民による選挙で選ばれた議員によって構成される須崎市議会は、同じく選挙で選ばれた須崎市長とは、日本国憲法に基づく二元代表制の下に、対等で独立しており、それぞれの特性を生かして、互いに切磋琢磨し、市民の幸せと豊かな須崎市づくりのために、ともに責務を果たしていくことが求められる。

近年、国による地方分権改革の推進に関する施策の実施等により、地方公共団体の意志決定機関としての議会の使命は格段に増してきた。

須崎市は、この新しい地方自治の時代に対応するため、市民自治の確立と協働によるまちづくりを基本理念として、平成22年9月に須崎市自治基本条例を制定し、市民の権利と責務及び市議会並びに市の責務と役割を明確にしてきた。

この須崎市自治基本条例における理念を実現するためには、市民、市議会及び市が一体となって協働によるまちづくりに取り組むことが必要である。

須崎市議会は、地域における民主主義の発展に努め、合議制機関として、主権者である市民の多様な意見を市政に的確に反映させるため、言論の府、討論の場として十分に議論を尽くすとともに、市民への情報提供を図り、開かれた議会運営を推進し、また議会の機能をより強化して、政策の立案及び提案を積極的に行い、最良の意志決定をする使命を果たしていかなければならない。

よって須崎市議会は、日本国憲法及び地方自治法を遵守し、議会に係る基本的な事項を定め、その責務を明らかにし、市民の負託に全力で応えることを誓い、ここに須崎市議会基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方分権の時代にふさわしい市民に身近な議会として、須崎市議会(以下「議会」という。)及び須崎市議会議員(以下「議員」という。)の活動に関する基本的事項を定めることにより、議会の機能強化及び活性化を図り、もって市民福祉の向上及び市政の発展に寄与することを目的とする。

(基本原則)

第2条 議会は、適正に市政が運営されるよう監視を行うとともに、次に掲げる基本原則に基づいた議会活動を行うものとする。

(1) 公正性及び透明性を確保し、わかりやすい表現による審議を行う等、市民に開かれた議会を目指すこと。

(2) 政策を立案し、又は執行機関に提案するよう努めること。

(3) 議会が合議制機関であり、言論の府であることを深く認識し、議員相互間の自由な討議による運営を行い、議論を尽くしたうえでの合意形成に努めること。

(4) これまで引き継がれている事項について、必要に応じて見直しを行い、不断に議会改革を推進すること。

第2章 議会運営

(市長との関係)

第3条 議会は、市長との立場及び権能の違いを踏まえ、対等で緊張ある関係を保持しなければならない。

(審議)

第4条 議会は、市長が提案する重要な政策について、審議の充実を図るため、市長に対し、次に掲げる事項の説明及び資料の提出を求めることができるものとする。

(1) 政策を必要とする背景、目的及び効果

(2) 他の地方公共団体の類似する政策との比較検討

(3) 政策形成過程での市民参加の有無及びその内容

(4) 総合計画その他計画との整合性

(5) 財源措置

(6) 将来にわたるコスト計算

2 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前項の規定に準じ、当該予算及び決算の審議に係るわかりやすい説明及び資料を施策別又は事業別に市長に求めるものとする。

3 議会は、審議を通じて、市の事務の執行に関し、その評価に努めるものとする。

(会議及び委員会の運営)

第5条 議会の会議(以下「会議」という。)並びに常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)は、これを公開する。ただし、秘密会を開く議決があったときは、非公開とする。

2 議員は、会議及び委員会における質疑及び質問を一問一答方式で行うことができる。

3 会議及び委員会への出席を要請された者は、議長又は委員長の許可を得て、議員の質疑及び質問に対し、その趣旨を確認するものに関して反問することができるものとする。

第3章 議員の責務等

(議員の責務)

第6条 議員は、市民の信任によるその立場の重みを忘れず、市民の代表として、市民福祉の向上を目指すとともに、不断の自己研さんにより、自らの資質向上に努めなければならない。

2 議員は、市民に対し議会活動に関する情報、市政の状況及び自らの活動についての説明責任を果たし、市政に関する調査、政策の提案等を積極的に行うように努めなければならない。

3 議員は、高い倫理観が必要とされていることを認識し、品位の保持及び誠実かつ公正な職務の遂行に努めなければならない。

4 議員は、その立場を利用した影響力を不正に行使し、又は市民の疑念若しくは不信を招く行為を行ってはならない。

(議長の責務)

第7条 議長は、議会を代表する者として、中立かつ公正な職務の遂行に努め、多様な意見の集約を行い、合意形成に導くよう民主的かつ効率的な議会運営を行わなければならない。

(委員長の責務)

第8条 委員会における委員長は、中立かつ公正な職務の遂行に努めなければならない。

(会派)

第9条 議員は、議会活動を行うため、議員個人又は政策を中心とした同一理念を共有する議員で会派を結成することができる。

2 会派は、会派に所属する議員の活動を支援し、政策に関する調査、提案等を積極的に行うように努めるものとする。

3 会派は、議会運営並びに政策の立案、提案及び決定に関し、必要に応じて会派内又は会派間における合意形成に努めるものとする。

(議員研修)

第10条 議会は、議員の政策形成能力の向上を図るため、議員研修の充実強化を図るものとする。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野から専門的知識を取り入れるよう努めるものとする。

(政務活動費)

第11条 会派及び議員は、政務活動費を使用するときは、使途基準に従い、適正に執行し、常に市民に対して使途の説明責任を負うものとする。

第4章 市民参画

(市民の参画)

第12条 議会は、市民に対し、積極的にその有する情報の発信に努め、説明責任を果たさなければならない。

2 議会は、学識経験を有する者等による専門的事項に係る調査並びに公聴会制度及び参考人制度を活用し、市民の専門的又は政策的な見識等を議会における討議に反映させるよう努めるものとする。

3 議会は、市民と情報及び意見を交換することを目的として、議会報告会等を実施するものとする。

4 請願及び陳情は、その趣旨を踏まえ、適正かつ誠実に取扱い、必要に応じて提出者の意見陳述の機会を設けるものとする。

(議会の広報)

第13条 議会は、審議の経過を明らかにするため、会議録(秘密会等の会議録に記載しない事項を除く。)を公表するとともに、議案に対する議員の賛否を公表するものとする。

2 議会は、市民の議会及び市政への関心を高めるために、多様な手段を活用し、議会広報活動に努めるものとする。

第5章 議会事務局

(議会事務局)

第14条 議会は、議会の政策形成能力の向上及び円滑かつ効率的な議会運営のため、議会事務局の機能強化及び組織体制の充実に努めるものとする。

第6章 議員定数及び議員報酬

(議員定数)

第15条 議員定数は、議会機能の確保及び強化という観点に立ち、市政の現状、将来の見通し、市民の意見、類似する地方公共団体の議員定数との比較等により総合的に判断し、決定するものとする。

(議員報酬)

第16条 議員報酬は、市の財政状況、将来の見通し、社会経済情勢、市民の意見、類似する地方公共団体の議員報酬との比較等により総合的に判断し、決定するものとする。

第7章 最高規範性

(最高規範性)

第17条 この条例は、議会運営における最高規範であり、議会に関する条例、規則、訓令等を制定し、又は改廃する場合は、この条例との整合を図らなければならない。

第8章 その他

(検証及び見直し)

第18条 議会は、市民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、この条例の目的が達成されているかどうかを検証し、必要に応じてこの条例の見直しを行うものとする。

(その他)

第19条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

須崎市議会基本条例

平成28年9月27日 条例第23号

(平成28年9月27日施行)