○須崎市中間管理住宅の設置及び管理に関する条例
令和5年6月21日
須崎市条例第17号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 賃貸物件の管理(第4条―第11条)
第3章 中間管理住宅の管理(第12条―第30条)
第4章 補則(第31条―第33条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第1項の規定に基づき、須崎市への移住定住を促進するため、市が市内の空き家を借り上げ、必要な改修を行い、賃貸の用に供する住宅(以下「中間管理住宅」という。)として設置し、及びそれを管理することについて必要な事項を定めるものとする。
(1) 空き家 市内にある居住の用に供する建物で、現に人が居住していないもの
(2) 所有者 空き家、賃貸物件及び中間管理住宅の所有者
(3) 定期契約 借地借家法(平成3年法律第90号)第38条の規定による定期建物賃貸借契約
(4) 賃貸物件 中間管理住宅として設置するため、第6条第1項の規定により所有者と市長が定期契約をした空き家
(5) 原状回復 賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意、過失、善管注意義務違反又はその他通常の使用を超えるような使用による損耗及び毀損の復旧
(設置)
第3条 本市が設置する中間管理住宅は、規則で定めるとおりとする。
第2章 賃貸物件の管理
(空き家の募集)
第4条 市長は、中間管理住宅として設置する空き家の募集を次に掲げる方法により行うものとする。
(1) 市のホームページ
(2) 市の広報誌
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める方法
2 前項の募集は、期限を定めて行うものとする。
(賃貸物件の選定)
第5条 前条の募集に対し応募のあったもののうちから、中間管理住宅として設置する空き家を選定するために必要な事項を調査審議するため、須崎市中間管理住宅選定委員会(以下「選定委員会」という。)を置く。
2 市長は、前条の募集に対し応募があったときは、選定委員会による調査審議を経て、中間管理住宅として設置する空き家を選定するものとする。
3 選定委員会に必要な事項は、市長が規則で定める。
(所有者との契約)
第6条 市長は、前条の規定により中間管理住宅として選定した空き家の賃貸について、所有者と定期契約を締結するものとする。
2 市長は、賃貸物件について、所有者の承諾を得て、耐震改修、トイレの水洗化、浄化槽の設置等、住宅性能向上に資するリフォーム工事及び外観の変更を行うことができる。
3 市長は、賃貸物件を所有者に明け渡す場合において、前項の規定により実施したリフォーム工事及び外観の変更について、原状に復す義務を負わない。
4 所有者は、定期契約期間中は、市長の承諾を得ないで賃貸物件について第三者に売却し、又は担保権及び利用権の設定等を行ってはならない。
(賃貸物件の賃貸借期間)
第7条 賃貸物件の賃貸借期間は、定期契約の締結日から10年に達する日以降における最初の3月31日までとする。
(賃貸物件の賃料)
第8条 賃貸物件の賃料は年額とし、定期契約を締結した年度における当該賃貸物件に係る固定資産税額を基準として所有者との協議により定める。ただし、当該年度の固定資産税額が確定していない場合は、前年度における当該賃貸物件に係る固定資産税額を基準とする。
2 年額賃料は、当該年度の4月1日から3月31日までの賃料とし、1年に満たない期間の賃料は、1年を365日として日割計算(1円未満切捨て)した額とする。
3 市長は、定期契約の期間満了日まで、毎年4月に当該年度の賃料を所有者に対して支払うものとする。ただし、定期契約初年度の賃料は、当該年度の3月に支払うものとする。
4 市長及び所有者は、経済情勢又は土地及び建物に対する租税公課の増減による賃貸物件の賃料が不相当となった場合は、協議のうえ、賃料を変更することができる。
(期間満了の通知)
第9条 所有者は、定期契約の期間満了の1年前から6月前までの間に市長に対し、定期契約が終了する旨を通知しなければならない。
(明渡し)
第10条 市長は、所有者に賃貸物件を明け渡そうとするときは、あらかじめ当該所有者に通知し、定期契約が終了する日までに賃貸物件を原状回復して所有者に明け渡さなければならない。ただし、第6条第2項の規定により行ったリフォーム工事及び外観の変更は、この限りでない。
(管理)
第11条 市長は、賃貸物件を管理する。
第3章 中間管理住宅の管理
(入居者の募集等)
第12条 市長は、中間管理住宅に入居を希望する者を募集するときは、次に掲げる方法のうち、2以上の方法により行うものとする。
(1) 市のホームページ
(2) 市の広報誌
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要と認める方法
(入居者の資格)
第13条 中間管理住宅に入居できる者は、次の各号のいずれにも該当するものとする。
(1) 次のいずれにも該当するものであること。
ア 地区組織に加入し、近隣住民と積極的に交流する意思があること。
イ 世帯主及び同居者に、租税公課の滞納がないこと。
ウ 世帯主及び同居者に、須崎市暴力団排除条例(平成23年須崎市条例第1号)第2条第2号に規定する暴力団等(以下「暴力団等」という。)に該当するものがいないこと。
エ 世帯主及び同居者に、当該中間管理住宅の所有者と3親等内の関係を有しているものがいないこと。
(2) 次のいずれかに該当するものであること。
ア 市内に住所を有しておらず、市外から転入して市内に居住しようとする者で構成する世帯であること。
イ 世帯主又はその配偶者若しくはその両方が、県内に住所を定めた日から5年を経過しない者で、それ以前は高知県外に5年以上住所を定めていたものであること。
ウ 世帯主又はその配偶者若しくはその両方が、市内で地域おこし協力隊若しくは集落支援員の任に就いている者又はその任を退いてから1年以内の者(ただし、着任前に市内に住所を有していない者)で、引き続き市内に定住する意思のあるものであること。
エ その他市長が必要と認める者
(入居の申込)
第14条 前条に規定する入居の資格があるもので、中間管理住宅の入居を希望する者は、規則で定めるところにより市長に入居の申込みをしなければならない。
2 前項の入居申込書の受付は、市長があらかじめ定めた期間において行うものとする。
(入居者の選考及び決定)
第15条 市長は、前条の規定による入居の申込みを受理したときは、須崎市中間管理住宅入居者選考委員会(以下「選考委員会」という。)において入居者の選考を行い、入居の許可の適否を決定するものとする。
2 市長は、中間管理住宅の入居者を決定したときは、その旨を当該入居者として決定した者(以下「入居決定者」という。)に通知するものとする。
3 選考委員会について必要な事項は、市長が規則で定める。
2 市長は、前項の規定により入居契約を締結しようとするときは、当該入居決定者に対し、入居契約は更新がなく、期間の満了により賃貸借は終了する旨の説明を書面により行わなければならない。
(中間管理住宅の入居期間)
第17条 中間管理住宅の入居期間は、入居契約の締結日から第6条第1項の規定により当該所有者と締結した定期契約の満了の日までとする。ただし、特別な事情により、所有者との定期契約満了前に、所有者に明け渡さなければならなくなった場合は、当該明け渡しの日までとする。
(中間管理住宅の家賃)
第18条 中間管理住宅の家賃は、第6条第2項の規定により実施したリフォーム工事等に要した費用、賃貸物件の賃料、その他管理に要する費用等を勘案し、市長が規則で定める。
2 第16条の規定により入居契約を締結した入居決定者(以下「入居者」という。)は、毎月末日(月の途中で中間管理住宅を明け渡した場合にあっては明け渡した日)までに、その月分の賃料を納付しなければならない。
3 市長は、経済情勢、公租公課等の変動により必要が生じたときは、入居者と協議のうえ、賃料を変更することができる。
(敷金)
第19条 入居者は、敷金として中間管理住宅の賃料の2月分を市長に納付しなければならない。
2 敷金は、入居者との入居契約期間中に生じた債務及び当該入居契約終了後に入居者が市に対して負担する一切の債務を担保する。
3 市長は、入居者について中間管理住宅の明渡し時に入居契約の債務が存在するときは、敷金をもって相殺することができる。
4 市長は、入居者より中間管理住宅が明け渡された後、入居者に対し敷金を返還する。
(賃料の督促)
第20条 市長は、入居者が賃料を納期限までに納付しない場合は、期限を指定してこれを督促しなければならない。
(善管注意義務等)
第21条 入居者は、自身の入居する中間管理住宅について、善良な管理者の注意義務をもって維持管理しなければならない。
2 入居者の責めに帰すべき事由により中間管理住宅が滅失し、又は毀損したときは、入居者がこれを原型に復し、又はこれに要する費用を賠償しなければならない。
3 入居者は、入居の権利を第三者に譲渡し、又は転貸してはならない。
4 入居者は、中間管理住宅に特別の設備を設置し、又は設備に変更を加えてはならない。ただし、あらかじめ市長に承認を受けたときは、この限りでない。
(行為の制限)
第22条 入居者は、中間管理住宅において、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1) 興行を行うこと。
(2) 展示会、その他これに類する催しを行うこと。
(3) 文書、図書、その他の印刷物を貼付又は配布すること。
(4) 宗教の普及、勧誘、儀式、その他これに類する行為をすること。
(5) 近隣の住民に迷惑を及ぼす行為をすること。
(6) 入居契約の条件に反する行為をすること。
(7) その他中間管理住宅の使用にふさわしくない行為をすること。
(入居者の費用負担義務)
第23条 次の各号に掲げる費用は、入居者の負担とする。
(1) 電気、ガス、上下水道及びテレビ共聴設備等の使用料
(2) 建物及び利用敷地の除草等に要する費用
(3) 前2号に掲げるもののほか、居住に要する費用
(修繕)
第24条 入居者は、自らの故意又は過失により必要となった修繕に要する費用のほか、中間管理住宅を使用するために必要な全ての修繕を自らの負担において行うものとする。
(1) 畳の表替え、裏返し
(2) 障子紙、襖、網戸の張り替え
(3) 電球、蛍光灯の取り換え
(4) その他軽微な修繕
(不使用の届出)
第25条 入居者は、中間管理住宅を引き続き15日以上使用しないときは、使用しなくなる日の5日前までにその旨を市長に届け出なければならない。
(入居許可の取消し)
第26条 市長は、入居者が次の各号のいずれかに該当するときは、入居の許可を取り消すことができる。この場合において、市長は、入居者に生じた損害についてその責めを負わない。
(1) 偽りその他不正の手段により入居の許可を受けたとき。
(3) 第21条第4項の規定による市長の承認を受けないで、中間管理住宅に特別の設備を設置し、又は設備に変更を加えたとき。
(4) 賃料を3月以上滞納したとき。
(6) 入居の許可に付した条件に違反したとき。
(7) この条例の規定に違反したとき。
(8) 災害、その他の事故により中間管理住宅が使用できなくなったとき。
(9) 暴力団等の活動に利用されると認められたとき。
2 市長は、前項の規定により入居の許可を取り消すときは、その旨を当該入居者に対し文書により通知するものとする。
(解除の申入れ)
第27条 入居者は、中間管理住宅の床面積が200平方メートル未満の場合において、転勤、療養、親族の介護その他やむを得ない事情により、中間管理住宅を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、市長に入居契約の解除の申入れをすることができる。この場合において、当該入居契約は、解除の申入れの日から1月を経過することにより、終了するものとする。
2 市長は、前項の申入れを受理したときは、速やかに可否を決定し、その旨を当該入居者に通知するものとする。
(期間満了の通知)
第28条 市長は、入居契約の期間満了の1年前から6月前までの間に入居者に対し、文書により中間管理住宅の賃貸借が終了する旨を通知しなければならない。
2 市長は、前項の規定による通知を怠ったときは、その終了を入居者に対して主張することはできない。ただし、通知期間の経過後、入居者に対し期間の満了により入居契約が終了する旨を通知したときは、その通知の日から6月を経過した日に入居契約は終了するものとする。
(明渡し)
第29条 市長は、入居者に対し中間管理住宅の明渡しを請求するときは、文書により請求するものとする。
2 入居者は、中間管理住宅を明け渡そうとするときは、明渡し日の10日前までに市長に届け出て、市長の指定する者の検査を受けなければならない。
(管理)
第30条 市長は、中間管理住宅を管理する。
第4章 補則
(立入検査)
第31条 市長は、中間管理住宅の管理上、必要があると認めるときは、市長の指示した者に中間管理住宅の検査をさせ、又は当該入居者に対して適当な指示をすることができる。
2 前項の検査において、現に使用している中間管理住宅に立ち入るときは、あらかじめ当該入居者の承諾を得なければならない。
3 前項の規定にかかわらず、市長は、火災による延焼を防止する必要があるとき、その他の緊急の必要があるときは、入居者の承諾を得ずに立ち入ることができる。ただし、不在時に立ち入ったときは、立ち入り後にその旨を当該入居者に通知しなければならない。
(中間管理住宅監理員及び中間管理住宅管理人)
第32条 中間管理住宅の管理に関する事務をつかさどり、中間管理住宅及びその環境を良好な状態に維持するよう入居者に必要な指導を与えるため、中間管理住宅監理員(以下「監理員」という。)を置く。
2 監理員は、市長が市職員のうちから任命する。
3 市長は、監理員の職務を補助させるため、中間管理住宅管理人(以下「管理人」という。)を置くことができる。
4 管理人は、監理員の指揮を受けて、修繕すべき箇所の報告等、入居者との連絡の事務を行う。
5 前各項に規定するもののほか、監理員及び管理人に関し必要な事項は、規則で定める。
(委任)
第33条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。